ビナとの連結だけに使用してください。 スナッ
プフックは、 製造会社によりその用途に対する
承認がされない限り、 使用してはなりません。
第10項から第16項では、 このFBHで提供される
さまざまな固定具の位置と使用法に関する、 そ
の他の情報が説明されています。
10.背面
背面固定装具は、 使用用途として代替固定具
の使用が認められていない限り、 主となる墜落
防止用固定装具として使用されるものとしま
す。 背面固定装具は、 移動の制限や救出にも使
用できます。 墜落時に背面固定装具により支持
された場合、 フルハーネス型安全帯は着用者
および大腿部回りを支持している肩ベルトを
通して荷重の方向を変えます。 背面固定装具で
着用者を支持することにより、 落下後の姿勢は
やや前のめりの直立姿勢となり、 わずかな圧力
が胸の下にかかることになります。 背面固定装
具にスライド式を選択するか、 固定式を選択す
るかを考慮する必要があります。 スライド式背
面固定装具は、 一般に様々な着用者の寸法に
合わせた調節が簡単で、 落下後の安静位をよ
り垂直にすることができますが、 FBHの伸縮は
増加する場合があります。
11.胸骨部
しかるべき責任者により、 背面固定装具がその
用途に不適切であると判断された場合、 かつ、
足着地以外の墜落の危険性がない場合には、
墜落防止用固定装具としての背面固定装具に
代わる手段として、 胸骨部固定装具を使用でき
ます。 胸骨部固定装具の使用が許容される実
際の用途としては、 誘導式墜落防止装置が付
いた梯子昇降、 頭上に自己収納式墜落防止用
命綱の付いた梯子昇降、 ワークポジショニン
グ、 ロープアクセスなどがありますが、 これらに
限るものではありません。 胸骨部固定装具は、
移動の制限や救出にも使用できます。 墜落時
に胸骨部固定装具により支持された場合、 フ
ルハーネス型安全帯は着用者および大腿部回
りを支持している肩ベルトを通して荷重の方
向を変えます。 胸骨部固定装具で着用者を支
持することにより、 落下後の姿勢は座位または
抱きかかえられた形になり、 重心は大腿部、 臀
部、 腰背部に集中します。 ワークポジショニング
時に胸骨部固定装具で着用者を支持すると、
ほぼ直立姿勢となります。 墜落防止用に胸骨
部固定装具を使用した場合、 用途を評価する
しかるべき責任者は、 墜落が足着地以外の形
でしか発生しないよう、 措置を講じる必要があ
ります。 これには、 許容可能な自由落下距離の
制限も含まれます。 調節式胸ベルトに組み込
む胸骨部固定装具により、 落下時、 押出時、 懸
垂時に胸ベルトが上方向にずれ、 着用者を窒
息させる可能性があります。 そうした使用用途
については、 しかるべき責任者は固定式の胸
骨部固定装具の付いたフルハーネス型安全帯
を検討する必要があります。
12.正面
正面固定装具は誘導型墜落防止用保護具の
梯子昇降用連結器具 (足着地以外の墜落の可
能性がないことが条件) として機能し、 または
ワークポジショニングにも使用できます。 正面
固定装具で着用者を支持することにより、 落下
後またはワークポジショニング時に上部胴体
は直立し、 重心は大腿部と臀部に集中します。
正面固定装具で支持した場合、 フルハーネス
型安全帯の設計では、 骨盤部の補助ベルトに
より荷重が直接、 大腿部回りと臀部下に分散さ
れます。 墜落防止用に正面固定装具を使用し
た場合、 用途を評価するしかるべき責任者は、
墜落が足着地以外の形でしか発生しないよう、
措置を講じる必要があります。 これには、 許容
可能な自由落下距離の制限も含まれます。
13.肩
肩固定装具は2個1組で使用するものとし、 救
出および侵入/回収用に使用できる装具です。
肩固定具装具は墜落防止用には使用できませ
ん。 肩固定具装具はフルハーネス型安全帯の
肩ベルトを分離させておくためのスプレッダー
を組み込んだヨークと連携させて使用すること
が推奨されます。
14.腰背部
腰背部固定装具は移動制限のためにのみ、 使
用するものとします。 腰背部固定装具は墜落防
止用には使用できません。 いかなる状況下に
おいても、 腰背部固定装具を移動制限以外の
目的で使用することはなりません。 腰背部固定
装具は、 着用者の腰部を介した最小荷重に対
してのみ使用できます。
15.臀部
臀部固定装具は2個1組で使用するものとし、
また、 ワークポジショニングにのみ使用するも
のとします。 臀部固定装具は墜落防止用には
使用できません。 臀部固定装具はたいてい、 庭
師、 電柱作業員、 鉄筋作業や壁面作業を行う建
設作業員のワークポジショニングに使用され
ます。 使用していない墜落防止用ランヤードの
端部を収納するために臀部固定装具 (または
フルハーネス型安全帯のその他の剛性部材)
を使用する場合は注意が必要です。 つまずく危
険がある場合、 また複数の端部を持つランヤー
ドの場合は、 フルハーネス型安全帯とその装
着者に逆荷重がかかる可能性があるためで
す。
16.サスペンションシート
サスペンションシート固定装具は2個1組で使
用するものとし、 また、 ワークポジショニングに
のみ使用するものとします。 サスペンションシ
ート固定装具は墜落防止用には使用できませ
ん。
サスペンションシート固定装具はたいてい、 着
用者が懸垂されている時間が比較的長い作業
に使用されます。 これにより、 着用者は2つの固
定装具の間に作られたサスペンションシート
に座った姿勢でいることができます。 こうした
使用例としては、 高層ビルの窓清掃作業があり
ます。
使用者による保護具の点検
個人用墜落防止システムの使用者は、 少なく と
も装具の点検、 保守、 および保管に関する製造
会社のすべての指示を順守するものとします。
使用者の組織は、 製造会社の使用説明書を保
持し、 すべての使用者がすぐ利用できるように
しておきます。 ANSI/ASSP Z359.2の保護具の
使用者点検、 保守、 および保管に関する墜落防
止対策の最小要件を参照してください。
1.製造会社の説明書に記載された点検条件に
加えて、 保護具は以下の事項について各回の
使用ごとに、 使用者が使用前点検を行うものと
し、 さらに、 使用者以外のしかるべき責任者が
1年未満の間隔で点検を実施するものとしま
す。
- 標章の欠如、 またはその判読が困難
- 保護具の形状、 装着性、 機能に影響を与える
器具の欠如
- ハードウェア部品の欠陥や損傷の兆候 (亀裂
や鋭利な端部、 変形、 腐食、 化学変性、 過熱、
変化、 過剰な摩耗など)
- ベルトやロープの欠陥や損傷の兆候 (ほころ
び、 剥離、 よりがほどける、 もつれ、 結び目、 ロ
ーピング、 ステッチのほころびやほつれ、 過剰
な伸長、 化学変性、 過度の汚れ、 摩耗、 変化、
潤滑不足または潤滑過多、 過剰な劣化、 過剰
な摩耗など)
2.安全帯の点検基準は、 着用者の組織によって
規定されるものとします。 保護具のそうした基
準は、 本標準または製造会社の説明書で定め
られた基準のいずれか厳格な方と同等以上の
ものとします。
3.点検により保護具の欠陥や損傷、 または不適