このコントロールは、 シンプルなループ (シリーズ方式、 フルレンジ、 モノ) を使用しているときに、 12 時の位置に合わせておけば、 ルー
プのオン/オフを切り替えてもユニティゲインとなるように、 あらかじめレベル補正されています。 エフェク トループがオンのとき、 こ
のコントロールを左に回すと信号レベルが下がり、 逆に右に回すと信号レベルが上がります。 エフェク トループがオンのときに LOOP
LEVEL コントロールが"0"に設定されていると、 何も出力されません。 エフェクターの構成と配列は多くのパターンが考えられるので、
レベルの可変範囲は広めに設計されています。 どのように 設定してよいかわからないときは、 まず LOOP LEVEL コントロールを 12 時
の位置に合わせ、 ドライ信号とのバランスを 考慮しながら左右に微調節してください。
複数のセンド/リターン端子とコントロール類が搭載された本シリーズのエフェク トループセクションは、 非常に精巧な設計になって
おり、 外部機器とのさまざまな組み合わせが可能で、 音響的な可能性は無限大と言えます。
このエフェク トループのノミナルレベルは- 10dBV に設定されており、 一般的なエフェクターの大半に対応できます。 エ フェクター側
に独自のレベルコントロールが搭載されている場合は、 システム全体で歪みが生じていないかをよく確認し ながらレベルを設定して
ください。
エフェク ト自体は万人に好まれるというわけにはいきませんが、 そのことをもってエフェク トループが便利ではないと断言 することは
できません。 エフェク トループは、 単純なブースト機能から、 複数台の異なる機器との接続まで、 あらゆる場合 に活用できるよう設計さ
れています。
以下、 さまざまな使用例と接続例を紹介します。 中にはエフェクターを使わない使用例も含まれています。
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ボリ ュームブースト : エフェク トループをパラレル方式に設定し、 LOOP LEVEL コントロールを上げるだけで、 ボリュームブースト機
能として利用できます。
エフェク トループをオンにすると 6dB ブーストされます。 ソロ演奏時に便利です。
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フルレンジシリーズループ: FULL SEND 端子とエフェクターの入力端子、 MONO RETURN 端子とエフェクターの出力端子をそれぞ
れ接続し、 LOOP LEVEL コントロールを 12 時の位置に合わせ、 ループタイプを SERIES に設定します。 エフェク トループをオンにす
ると、 信号がユニティゲインでエフェクターに送出されます。
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高音域にコーラス効果をかけたステレオループ: HI PASS SEND 端子とコーラスエフェク トの入力端子、 LEFT RETURN 端子と
RIGHT RETURN 端子にコーラス エフェク トのステレオ出力端子をそれぞれ接続し、 コーラスエフェク ト側でドライ信号の割合を最
小値に設定します。 次に、 LOOP LEVEL コントロールを 12 時の位置に合わせて、 ループタイプを PARALLEL に設定します。 この状
態でエフェク トループをオンにすると、 高音域にはステレオコーラス効果がかかり、 低音域はモノラルでクリアなサウンドになりま
す。 このセッ トアップは、 フランジャー、 フェイザーといったエフェク トにも応用できます。
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オクターバー使用時の応用例: LO PASS SEND 端子とオクターバーの入力端子、 MONO RETURN 端子とオクターバーの出力端子
をそれぞれ接続します。 オクターバー側では、 ドライ信号の割合を最小値に設定してください。 次に LOOP LEVEL コントロール を
12 時の位置に合わせ、 ループタイプを PARALLEL に設定します。 この状態でエフェク トループをオンにすると、 オクターバーのエフ
ェク ト音が聞こえますが、 オクターバーには倍音が僅かしか入力されないため、 よりクリアで安定したサウンドが得られます。
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高音域にステレオコーラス、 低音域にオクターバーを使用する例: ステレオコーラスとオクターバーを上記 2 つの使用例に従って
接続します。 エフェク トループをオンにすると、 両方 のエフェクターが並列に接続されるため、 お互いに干渉することなく 2 種類の
エフェク トがかかります。
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高音域のみにオーバードライブ/ディ ストーションを使用する例: HI PASS SEND 端子とオーバードライブ/ディストーションの入
力端子、 MONO RETURN 端子とオーバードライ ブ/ディストーションの出力端子をそれぞれ接続します。 次に LOOP LEVEL コント
ロールを 12 時の位置に合わせ て、 ループタイプを PARALLEL に設定します。 エフェクターはお好みに応じて設定してください。 こ
の状態でエフェク トループをオンにすると、 高音域にはオーバードライブ/ディストーション効果がかかり、 低音域ではクリアな音
色 が得られます。
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エンベロープフィルターの使用例: まず HI PASS SEND 端子の出力信号をエンベロープフィルターに入力してそのサウンドを試
し、 次に LO PASS SEND 端子の出力信号をエンベロープフィルターに送って試してみると、 その効果の違いがよくわかるはずで
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